日時:2022年11月28日(月) 17:30~18:30(発表45分,質疑15分)
講演者:荻原成騎 助教
場所:理学部1号館336号室
演題:ハーキマーダイヤモンド(両錐水晶)の産状と形成過程
要旨:
米国ニューヨーク州ハーキマー郡とモホークリバーバレー周辺の苦灰岩から産出する無色から茶色の透明で18面の両錐水晶について、ハーキマーダイヤモンドという商品名が用いられている。ハーキマーダイヤモンドは、種々の包有物を持ち、条線がなく美しい照りが特徴である。その麗しい姿から、鉱物愛好家のみならず一般の人々にも非常に人気がある鉱物である。
ハーキマーダイヤモンドは、カンブリア紀後期の苦灰岩中に発達する。大型の結晶は、ストロマトライトの抜け殻(溶脱したストロマトライトの空隙)中に産出する。空隙内壁はグラファイトのコーティングがなされ、ハーキマーダイヤモンドはグイラファイトに載る産状で成長し、一部グラファイトを包有物として取り込んでいる。また、大型の結晶には茶水晶が混じる。
本発表では、NY州Herkimer郡Ace of Diamond鉱山とその周辺で行った野外調査の結果を中心に、ハーキマーダイヤモンドの形成過程について議論する。